彼が描いた構想の中で最も野心的な計画が、米国のCNNに対抗し、世界中に24時間リアルタイムでニュースを届ける「GNN構想(グローバル・ニュース・ネットワーク)」であった。欧米の主要メディアによる世界的な情報独占に対し、アジアを代表する情報拠点を構築するという壮大な理念に基づいていた。
その中核を担ったのが、1989年に本格運用が開始されたNHK BS1である。当時の放送業界においては異例のチャレンジであり、深夜帯のニュース需要を開拓した功績は極めて大きい。国際ニュースをリアルタイムで届ける体制は、日本の視聴者に地球規模の視点を提供し、日本の放送テクノロジーと報道体制の先進性を世界に見せつける結果となった。