インド人の食生活において、最も決定的な役割を果たしていると考えられているのが、毎日の料理に欠かせないターメリック(ウコン)です。ウコン特有の鮮やかな黄色を構成するポリフェノール化合物「クルクミン」には、脳医学の領域で目覚ましい予防効果が確認されています。
アルツハイマー病の主要な発症要因とされるのが、脳内に異常なタンパク質「アミロイドβ(ベータ)」が凝集・沈着して老人斑を形成し、神経細胞を死滅させるプロセスです。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)をはじめとする研究機関の解析により、クルクミンには次のような具体的な作用があることが明らかになりました。
第一に、クルクミンは分子構造が小さく、異物の侵入を遮断する「血液脳関門」を直接通過できる稀有な成分です。脳内に到達したクルクミンは、アミロイドβの線維化や結合を強力に阻害します。第二に、すでに沈着してしまったタンパク質の塊を分解し、脳外への排出を助ける作用を持っています。さらに、脳内の慢性的な炎症反応を鎮める抗炎症作用と、活性酸素を除去する抗酸化作用が相乗的に働き、神経シナプスの伝達機能を守り抜きます。