2026年現在の認知心理学における最新研究では、人間がなぜ「論点のすり替え」に易々と惑わされてしまうのか、その脳内メカニズムが明かされつつある。日本心理学会などの学術集会でも報告されている通り、脳は過度な情報負荷に晒されると、論理的思考を司る流動性知能をバイパスし、より強い感情的刺激に飛びつく性質を持つ。
議論の場で頻用される典型的な技法が「ストローマン(藁人形叩き)」と「対人攻撃」だ。相手の主張を極端に歪めて架空の弱点を作り出し、そこを徹底的に叩く。あるいは論題とは無関係な相手の経歴や失敗談を引き合いに出し、人柄そのものを貶める。これらは受け手の認知リソースを意図的に疲弊させ、本質的な議論から目を逸らさせる非常に洗練された心理操作に他ならない。