今回発生した痛ましい事故の全貌を紐解くと、そこにはサークルや部活動内で長年培われてきた不条理な上下関係が存在していた。独自取材に応じた同席者の証言によれば、場を盛り上げるという名目のもと、コールに合わせて短時間で大量の高濃度アルコールを煽る行為が常態化していたという。「断れば空気が悪くなる」「先輩の注いだ酒を拒むのはタブー」という目に見えない同調圧力が、未熟な若者たちの判断能力を麻痺させていた。
なぜ悲劇は繰り返されるのか。現場に居合わせた関係者は「誰も悪気があって飲ませたわけではない」と口をそろえる。しかし、その「悪気のなさ」こそが最も罪深い。過剰な飲酒を「場を沸かせる儀式」として肯定し、危険を察知する感度を失わせる集団心理。酒席における配慮の欠如が、命の危機に直結することを認識できない構造的な無知が、惨劇を再現し続けているのだ。