調理前のわずか3分間のひと手間で、仕上がりのクオリティは劇的に向上します。失敗を未然に防ぐ鶏肉となすの下処理方法を部位別・食材別に整理しました。
まずナスに関しては、ヘタを落とした後に皮全体へ斜め2ミリ幅の「格子状の隠し包丁(鹿の子切り)」を入れることが鉄則です。皮の硬い繊維を断ち切ることで、短時間の加熱でも皮が突っ張らず、調味料がダイレクトに果肉へ浸透します。乱切りにした後は、ボウルに入れて少量のサラダ油(ナス2本に対して小さじ1程度)を回しかけ、手で全体に薄く油の膜をまとわせておきます。この「プレ・コーティング」を行うことで、フライパンに入れた際に余分な油を吸いすぎるのを防ぎ、色鮮やかな紫色をキープできます。
一方、鶏肉の下処理は部位によってアプローチが異なります。ジューシーな鶏もも肉を使用する場合は、余分な黄色い脂肪と筋を丁寧に取り除き、一口大に切った後に塩少々と酒をもみ込みます。高タンパク・低脂質で節約食材としても支持される鶏むね肉の場合は、繊維を断ち切るように削ぎ切りにした後、砂糖・塩・酒(各少々)をもみ込み、最後に片栗粉を薄くまぶす「保水コーティング」が不可欠です。この片栗粉の膜が肉汁の流出を防ぎ、調味料をとろみとともに絡め取る接着剤の役割を果たします。