木村一八の人生を語る上で切り離せないのが、昭和の漫才界に君臨した父・横山やすしの存在です。破天荒で天才肌、酒とボートを愛し世間を騒がせ続けた父親の血を引くことは、彼にとって誇りであると同時に、重い十字架でもありました。
1988年の暴行事件が起きた際、父・横山やすしは記者会見の場で涙を流しながら息子の罪を謝罪し、自身の教育の至らなさを痛烈に責めました。その後、父自身も飲酒トラブルなどを重ねて吉本興業を契約解除となり、1996年に51歳の若さでこの世を去ります。
激しい衝突と確執を繰り返した親子でしたが、根底には誰よりも強い情愛が存在していました。木村一八は後年の回想において、不器用ながらも自分を全身全霊で愛してくれた父への深い感謝と敬意を語っています。父の生き様とその早すぎる死は、木村一八が自分自身の過ちと向き合い、役者として泥臭く生き直す最大の原動力となりました。