なぜ、これほどまでに硬いのか。その答えは「かたやき」が誕生した歴史の背景にある。舞台は戦国時代、忍びの里として知られる三重県伊賀市だ。過酷な密命を帯びて敵地に潜入する伊賀忍者は、長期間の保存に耐え、少量で高い栄養補給ができる携帯糧食を必要としていた。
日持ちさせるために水分を極限まで飛ばし、じっくり焼き固める手法が考案された。小麦粉と砂糖、そしてゴマというシンプルな原料をギュッと凝縮して焼き上げることで、湿気に強く腐りにくい究極の携行食が完成したのだ。現代の米菓製造業で主流となっている一般的な焼きせんべいとは一線を画す、命がけの歴史が生み出した「固さ」である。