2009年8月に「mixiアプリ」の目玉タイトルとして投入された『サンシャイン牧場』は、わずか数か月で登録者数500万人を突破し、日本のソーシャルゲーム市場における最初の金字塔となりました。画面上に広がるのどかな農場で作物や家畜を育てるという分かりやすい構造でありながら、その本質は「マイミク同士のコミュニケーションツール」として設計されていました。
特にユーザーを夢中にさせたのが、独自のソーシャルアクションです。友人の畑にいる害虫を駆除してあげる善行だけでなく、あえて友人の畑に虫を放って経験値を稼いだり、実った野菜を少しだけ拝借したりする「収穫泥棒」の仕様が大きな話題を呼びました。「作物が盗まれる前に収穫しなければ」と深夜や早朝にアラームをセットしてmixiにログインした経験を持つ読者も少なくないはずです。
掲示板や日記での「虫を置いてくれたらお返しします」「泥棒歓迎」といった緩やかな交流ルールは、mixiという実名・知人ベースのコミュニティと完璧に調和し、日常の会話のきっかけを生み出す起爆剤となっていました。