映画修復業界における技術革新の凄まじさは、1コマの物理的処理から始まる。数十年前のセルロイドフィルムは、時間の経過に伴い収縮し、カビや擦り傷、あるいは褪色という不可避の病に侵される。これを救うのが、現代のフィルム修復技術だ。化学洗浄や超音波処理といった物理的な手当を施した後、高精細スキャナーを用いて4K Ultra HDを超える超高解像度で1フレームずつデジタルデータへと変換される。
日本国内でその最前線を走るのが、株式会社IMAGICA Lab.だ。同社の修復工房では、熟練のレストア技術者が最先端のグラフィックソフトと人工知能ツールを駆使し、フレームごとに生じた傷やチリ、画面のチラつき(フリッカー)を丹念に除去していく。この気の遠くなるような作業こそが、往年のグラフィックを現代の8Kテレビや大画面スクリーンに耐えうるクオリティへと跳躍させる基盤となっている。