この洋館の真骨頂は、部屋ごとに全く異なるインテリア様式を楽しめる点にある。迎賓館として機能していた往時の面影をそのまま残す館内は、まるで極上の建築博物館だ。
一階の「迎賓の間」は重厚なネオ・クラシック様式でまとめられ、格式高い雰囲気を漂わせている。一方で、「ロココの間」は優美な曲線と淡い色彩が特徴で、ヨーロッパの宮殿に迷い込んだかのような錯覚を覚える。さらに3階へと上がれば、純和風の畳敷きに折上格天井、障子窓を組み合わせた伝統的な和室「御成の間」が現れる。洋と和が同じ一軒の建物の中で見事に同居するこのアプローチこそ、文明開化に沸いた明治期ならではの圧倒的なエネルギーの象徴と言えるだろう。