蟹江敬三さんが息を引き取ったのは2014年3月30日、享年69でした。死因は末期の胃がんでした。体調の異変を感じて医療機関を受診した際にはすでに病状が進行しており、医師から家族へ厳しい告知がなされたといいます。
しかし、蟹江さんは自らの病状を世間に公表することなく、周囲に心配をかけまいと気丈に振る舞い続けました。亡くなる直前の同年1月まで、12年間にわたり初代ナレーターを務めた『ガイアの夜明け』のスタジオに立ち、力強く温かな語りを届けていた姿は、現場のスタッフや関係者の涙を誘いました。
俳優としてカメラの前に立ち続けることに生涯を捧げ、病魔に冒されながらも最後まで表現者としての矜持を貫き通した生き様は、まさに昭和・平成を駆け抜けた職人肌の名優そのものでした。