綿引勝彦さんの魅力は、シリアスな演技だけにとどまりませんでした。1990年代、世間に大きな衝撃と笑いを提供したのが、アデランスのテレビCM「ピッカリ投法」です。
元プロ野球選手の佐野慈紀さんと共演したこのCMで、綿引さんはマウンドに立ち、帽子(ウィッグ)を取って頭部を輝かせながらダイナミックに投球するコミカルな姿を堂々と披露しました。それまでの強面でシリアスなイメージを自ら軽やかに覆す姿は、視聴者の心を一気に掴み、子どもからお年寄りまで幅広い世代に愛されるきっかけとなりました。
自身が持つイメージに固執せず、求められた役柄や企画に全力で応える柔軟性とプロ意識こそが、綿引さんが長年にわたり第一線で活躍し続けた大きな要因でした。