どん鉢が運ばれてきた瞬間、目と鼻を刺す刺激に思わず息をのむ。深紅のスープの上に敷き詰められたのは、粗挽きのミンチ肉、大量の唐辛子、そしてシャキシャキとしたニラ。味仙の代名詞である「台湾ラーメン」だ。一見すると激しい辛味だけが目立ちそうだが、スープを一口口に含むと、その印象は鮮やかに裏切られる。
鶏ガラベースの力強いダシが、唐辛子の尖った刺激を包み込む。ニンニクの強烈な風味が鼻を抜け、ひき肉から滲み出た旨味が舌の上に残る。「辛い、けれどもう一口すしたい」。この無限ループこそが、半世紀以上にわたって人々を虜にしてきた魔法の正体だ。麺はスープによく絡む中細のストレート。すするたびに刺激と旨味が交互に押し寄せ、気づけば額から汗が吹き出している。