話の原点は、誰もが一度は手に取ったことがあるであろう名作駄菓子にある。森永製菓株式会社の看板商品として長年愛されてきたチョコボールのパッケージでおなじみのキャラクターが、なぜあれほどまでに奥深いストーリーの主人公へと昇華されたのか。企業ノベルティ的な映像化にとどまらず、独立したひとつの映像作品として自立させたアプローチこそが、最大の勝因と言える。
劇中の舞台となるエンジェル島は、一見すると平和で長閑な南の島だ。しかし、そこに暮らす住人たちのエゴや欲望、日常にひそむ歪みが容赦なく描き出される。可愛らしい外見のキョロちゃんが、純粋ゆえに周囲の滑稽さや大人の都合を浮き彫りにしていく構造は、まさに諷刺文学の趣すら漂わせていた。