「春雷」の歌詞の根底に流れるのは、ある日突然、不可逆的に落ちてしまった恋の衝撃です。予告もなしに空を切り裂く落雷のように、理屈や理性を一瞬で焼き尽くす恋情のすさまじさが全編を通して描かれます。
主人公は、それまで平穏だった自身の日常が、たった一人との出会いによって激変してしまったことに戸惑いを隠せません。好きになろうとして好きになったのではなく、気付いたときにはすでに心の中がその人で満たされていた――そんな「不可抗力の情熱」を、春の嵐という刹那的で美しい自然現象に見事に重ね合わせています。
相手の一挙手一投足に振り回され、胸を焦がすもどかしさ。ただ甘いだけではなく、どこか狂気や切実さを孕んだ心理描写こそが、本作が多くの共感を呼ぶ最大の理由です。