米国の安全保障政策は、内政の激動と分かつことができない。ジョー・バイデン前大統領が推進した多国間主義と慎重な軍事支援路線は、いまやワシントンの政界で熾烈な論争の標的となっている。一方で、巻き返しを図るドナルド・トランプとその陣営は、「アメリカ第一主義」に基づく過激な軍事コスト削減と即時和平交渉を主張し、国防関係者を困惑させている。
この2つの対立する世界観は、国防予算の配分から海外拠点の維持計画にいたるまで、深刻な亀裂を生み出している。軍高官たちの間では、政権の交代ごとに軍事戦略が揺らぐこと自体が、最大の国家的リスクであるとの懸念が渦巻く。