いわゆる「ワースト」とされる地域の真相を探るうえで、最も信頼できる科学的指標の一つが気候環境だ。気象庁が公表している全国各地の年間日照時間や紫外線量、平均湿度のデータは、肌の美しさに直接的な影響を与える。日照時間が長く紫外線量が比較的多い太平洋側や内陸部の地域は、日焼けのリスクが高まりやすく、肌の水分量が保ちにくい環境に晒されている。
長年にわたり全国数百万件もの肌データを収集してきた株式会社ポーラによるニッポン美肌県グランプリの解析結果を見ても、日照時間や乾燥した風などの自然環境が皮膚のバリア機能に影響を与えることが実証されている。しかし、これは「肌のコンディション維持に努力が必要な気候条件である」ことを意味するに過ぎない。気候上のハンデをカバーするために、日常的な紫外線対策や保湿ケアを徹底している女性が多く、結果として高い美意識が育まれている地域も少なくない。環境の厳しさを理由に「美人が少ない」と決めつけるのは、科学的根拠を欠いた浅はかな見解と言わざるを得ない。