かつてと比べ、組織犯罪を取り巻く法制度と捜査体制は劇的に変化を遂げた。警視庁組織犯罪対策部(通称・組対)は、広域暴力団の摘発や複雑化する国際犯罪において中核的な役割を果たしている。特に1990年代に制定され、段階的に強化されてきた暴力団対策法は、裏社会の資金源を直接的に遮断する強力な武器となった。
しかし、法律による規制が強まるにつれ、暴力団は表面的な活動を潜め、フロント企業や闇バイトを媒介とした巧妙な「見えない脅威」へと姿を変えた。かつてのような代紋を誇示する暴力ではなく、デジタル空間や金融市場に侵入する現代の犯罪組織に対し、組対の捜査員には高度な分析力と地道な現場捜査の両立が求められている。