高い健康機能を謳うマヌカハニーだが、食品としての特性を正しく理解していなければ思わぬリスクを招く場合がある。ネット上で飛び交う誤解を是正し、客観的なファクトを整理する。
1. 【絶対厳守】1歳未満の乳児に対するボツリヌス菌リスク
マヌカハニーも蜂蜜の一種である以上、1歳未満の乳児には絶対に与えてはならない。土壌や自然界に広く存在するボツリヌス菌の芽胞が混入している可能性があり、腸内細菌叢が未熟な乳児が摂取すると「乳児ボツリヌス症」を発症し、便秘、筋力低下、最悪の場合は呼吸困難に至る危険がある。熱に強いMGOが含まれているからといって、ボツリヌス菌の危険が無効化されるわけではない。
2. 糖質とカロリーの存在(過剰摂取の代償)
マヌカハニーは健康成分を豊富に含むが、成分の約80%は単糖類(ブドウ糖・果糖)である。大さじ1杯(約20g)で約60kcal前後の熱量と約15g相当の糖分を含む。抗生作用を期待するあまり1日に何杯も摂取すれば、当然ながら血糖値の急上昇や急激な体重増加につながる。適量は1日ティースプーン1〜2杯(5〜10g程度)が適切である。
3. 「熱湯で成分が全滅する」というネットの誤解
「熱い飲み物に入れるとマヌカハニーの効果はすべて失われる」という説が度々語られるが、これは一部が誤りで一部が真実だ。普通の蜂蜜に含まれる過酸化水素生成酵素(グルコースオキシダーゼ)は60℃以上の熱で容易に失活するが、マヌカハニーの核であるMGO自体は比較的熱に対して熱耐性が高いことが分かっている。ただし、蜂蜜に含まれる微量の生ビタミン群や酵素活性まで温存したい場合は、50℃前後のぬるま湯や人肌程度に冷ましたハーブティーに溶くのが理にかなっている。
4. 「金属スプーンを使うと成分が変質する」噂の検証
「金属製のスプーンを使うとMGOがイオン化して壊れるため木製や陶器製を使え」という言説もネット上で根強い。しかし、一般的なステンレス製スプーンですくって口に運ぶ程度の数秒〜数十秒の接触で劇的な化学変質が起きるという生化学的エビデンスは存在しない。長期間にわたって金属製スプーンを瓶の中につけたまま放置するのでない限り、神経質になる必要はない。