『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎先生が描く海軍最高幹部には、昭和の邦画黄金期を彩った伝説的俳優たちの面影が色濃く投影されています。新大将としてワノ国編の終盤で全貌を現した緑牛(アラマキ)のモデルが原田芳雄さんであることは、その外見的特徴と劇中設定を照らし合わせることで疑いようのない事実として浮かび上がります。
最大の根拠となるのが、1990年に公開された映画『浪人街』(黒木和雄監督)です。本作で原田芳雄さんが演じた主人公の名は「荒牧源内」。緑牛の本名である「アラマキ」と完全に一致します。劇中の原田芳雄さんは、黒髪のウェーブヘアを無造作に伸ばし、胸元を大きくはだけた着流し姿でくわえ煙草を燻らせる、色気と野性味が同居した浪人を見事に演じ切りました。
緑牛のキャラクターデザインを見ても、ウェーブがかった長髪、サングラス、タバコをくわえた不敵な口元、前開きの柄シャツといった意匠が『浪人街』の荒牧源内そのものです。だらしなく奔放に見えながら、ひとたび抜刀すれば鬼神のごとき強さを誇る荒牧源内の佇まいは、まさに緑牛のキャラクター像そのものと言えます。