新幹線の終着駅である鹿児島中央駅から、市電に揺られて数分の繁華街・天文館。古くから南九州随一の歓楽街として栄えてきたこのエリアには、居酒屋やバーがひしめき合い、独自の夜文化が根付いている。LGBTQ+当事者たちが集うコミュニティスペースやバーも、この二大拠点の周辺に点在してきた歴史がある。
かつては公園や商業施設の片隅、公衆トイレといった公共空間がいわゆるハッテン場として機能していた時代もあった。だが、防犯カメラの増設やLED照明の普及、警備体制の強化によって、そうした無秩序な空間は激減している。街の近代化が進むにつれ、物理的な出会いの拠点は自然淘汰され、よりクローズドで安全が担保された民間スペースや個人のプライベート空間へと移行した。