漢字が大陸から伝来する以前、古代日本には独自の文字が存在していたという伝承があります。それらの総称が「神代文字(じんだいもじ)」であり、ヲシテ文字、カタカムナ文字、アヒルクサ文字など、およそ30種類以上が確認されています。その神代文字のなかでも、推定約5,500年前という最古級の歴史を有すると伝えられるのが「龍体文字(りゅうたいもじ)」です。
伝承によれば、天地開闢の折に出現した生命力を司る神「宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジノカミ)」によって生み出されたとされています。滑らかな曲線と躍動感あふれる骨格がまるで天に昇る龍の姿を彷彿とさせることからその名が付けられ、長らく伊勢神宮に奉納される秘伝の御神体文字として門外不出とされてきました。
昭和天皇の命によってこの文字が保管され、後に書道家や治療家の手を通じて世に明かされた経緯は、スピリチュアル研究家のみならず文化史愛好家の間でも広く知られています。特に鍼灸師であり不食の実践者としても知られる森美智代氏の精力的な普及活動や解説本によって、その実用的な活用法が一気に大衆へと浸透しました。龍体文字の根底にあるのは、日本古来の「言霊(ことだま)」と幾何学的な「形靈(カタダマ)」の融合であり、視覚と筆記運動を通じて心身の周波数を整える実践的なツールとして捉えられています。