かつてゴールデンタイムの枠で数々の奇跡を起こしたスターが、なぜ単館系や新進気鋭の若手監督によるミニシアター作品へ精力的に出演を続けるのか。その理由は、近年の映画界における彼女の出演作を見れば一目瞭然だ。2026年に公開される最新の主演映画でも、過剰な演出を排した静寂なリアリズムに挑んでいる。
テレビ主導のヒット方程式が崩壊し、配信プラットフォームや海外共同製作が台頭する現在の日本映画界。その激動のただ中で、彼女は自らのネームバリューを「小さな声」を届けるための道具として自覚的に使っている。若手監督たちの尖った感性に自ら飛び込み、泥臭い現場もいとわない。かつての「トレンディ女優」というレッテルは、すでに心地よい過去の遺物へと変わっている。