「家庭で作ると衣がベチャつく」「中まで味が染み込まず、表面だけ酸っぱくなってしまう」という悩みに対し、栗原はるみさんが提唱する失敗しないプロのコツは極めて論理的です。その核心は、食材とタレの「温度差のコントロール」にあります。
食材が調味料を最も吸収するのは、熱い状態から冷めていくプロセスです。カラッと香ばしく揚げた魚や肉の油を軽く切ったら、間髪を入れずにあらかじめ常温または冷やしておいた南蛮ダレへと漬け込みます。この瞬間、ジュッと音を立てて衣の内部にタレが一気に吸い込まれ、均一に味が定着します。
また、衣のつけ方にも細やかな配慮が光ります。薄力粉や片栗粉を厚塗りせず、「余分な粉をしっかりはたき落としてから揚げる」ことで、タレに浸したあとも衣がドロドロに崩れず、心地よい歯ざわりが長く保たれます。