コーヒーの約98%は水でできている。この極めてシンプルな事実を、富山の街は改めて教えてくれる。標高3,000メートル級の立山連峰から何十年もかけて自然ろ過され、地表へと湧き出る硬度極小の軟水。これが、豆本来のフルーティーな酸味と繊細な甘みを余すことなく引き出す奇跡のベースとなる。
地元のロースターは口をそろえて語る。「東京と同じ豆、同じ焙煎度で淹れても、ここで淹れた一杯には雑味が一切出ない」と。一口含んだ瞬間に口いっぱいに広がる透明感。それは、この大地が何千年もかけて育んできた自然の恩恵そのものだ。