朱塗りの雷門をくぐり、浅草寺へと続く「仲見世商店街」は、まさに東京下町を代表する活気溢れるエリアだ。両脇に軒を連ねる店々からは香ばしい香りが漂い、訪れる人々の食欲をそそる。なかでもひときわ賑わいを見せているのが、店頭で行われる手焼き煎餅の実演販売だ。
白い生地が炭火の上でふっくらと膨らみ、秘伝の醤油に潜らせた瞬間に立ち上る香ばしい湯気。職人が火の通り具合を見極めながら素早く指先を動かす手さばきは、まるで洗練された芸術のようだ。出来立てを手に取り噛み締めれば、口いっぱいに広がる香ばしさと米本来の豊かな甘みに、誰もが笑みをこぼしてしまう。