トップ戦線からの後退を命じられたわけではない。だが、世界トップクラスのスピードとパワーが加速し続ける現代バドミントンにおいて、自らの思い描く完璧なプレーとのギャップが広がっていく現実から逃げることはしなかった。
日本代表のユニフォームを脱ぐと発表した記者会見で、彼はすっきりとした表情を浮かべていた。「気持ちと身体のズレを感じるようになった。しかし、バドミントンを嫌いになって辞めるわけではない」。自らの限界を冷静に見極め、プライドを守り抜いた末の決断は、多くのスポーツファンに深い感動と切なさを与えた。