万里の長城を語るうえで、この要塞の存在を外すことはできない。北京市中心部から北へ約60キロメートル。軍都山が形成する急峻な谷間に位置するこの地は、古くから「咽喉の地」と恐れられてきた。敵兵が一線にならなければ通れないほどの狭小な地形が、天然の防壁となっていたからだ。
14世紀後半、明朝を樹立した朱元璋は北方からの残党勢力を警戒し、側近である徐達に長城の再構築を命じた。徐達はこの地に巨大な二重構造の城門と城壁を巡らせ、完璧な迎撃態勢を整えた。現在残る重厚な花崗岩の城壁は、当時の土木技術の結晶だ。矢倉や兵舎、見張り台が巧みに配置された縄張りは、軍事工学の観点からも極めて高い評価を受けている。