幸せな結婚生活が続いていた2013年夏、人間ドックで川島さんの肝臓に腫瘍が見つかります。翌2014年1月に受けた腹腔鏡手術によって下された診断は肝内胆管がんでした。
川島さんは抗がん剤の副作用による舞台への影響を懸念し、自身の信念に基づいた食事療法や自然免疫療法を選択しました。鎧塚氏はその決断を尊重し、陰ながら寄り添い続けました。しかし病魔は確実に進行し、2015年9月、ミュージカル『パルレ』の降板を余儀なくされます。記者会見で見せた激痩せした姿に世間は騒然としましたが、本人は「私は最後まで女優ですから」と毅然と笑顔を見せていました。
会見からわずか数週間後の2015年9月24日、川島なお美さんは54歳の若さでこの世を去りました。生前、ワインをこよなく愛した彼女が遺したメッセージには、深い夫婦愛が刻まれていました。
「できれば再婚しないでね」という可愛らしい本音とともに、「一緒のお墓に入りたいから、できれば私の隣に」「あなたをずっと見守っています」という趣旨の想いが、ワインにまつわる言葉とともに託されていたのです。最期まで愛する夫と愛するワイン、そして演じることへの情熱を失わなかった見事な生き様でした。