嬉野の魅力は温泉とお茶だけに留まらない。駅周辺のフードシーンでは、佐賀の豊かな食材と温泉水を活かした「ローカルガストロノミー」の波が押し寄せている。名物の「温泉湯どうふ」は、温泉水のアルカリ成分によって豆腐がとろりと溶け出す唯一無二の逸品だが、近年は地元の若いシェフたちがこの伝統食を再解釈。
湯どうふのスープをベースにした濃厚なポタージュ風パスタや、お茶の茶殻を飼料にして育った「うれしの茶豚」のフレンチローストなど、ここでしか味わえないクリエイティブな一皿を提供するレストランが次々とオープンし、食通たちの熱い視線を集めている。駅周辺で食事を済ませ、そのまま夜の新幹線で博多や長崎へ戻るという「ディナー利用」の客が増えているのも現代ならではの現象だ。