日本のアニメ史において、未知の生命エネルギーや人体実験、そして不可避の破滅を予見した巨匠といえば大友克洋である。彼の代表作である金字塔『AKIRA』は、軍事実験によって暴走する超能力と人体の肉体的変容を描き、後年のウイルス・バイオハザード作品に計り知れない影響を与えた。
『AKIRA』が提示したネオ東京の混沌は、国家権力による個人の管理と、抑制不能となった生物学的エネルギーの爆発という二重の恐怖を提示していた。肉体が肥大化し、抑えきれない病魔のように周囲を飲み込んでいく描写は、現代のパンデミック映画やサイバーパンク作品が持つ「不可逆的な破壊」のイメージの源流となっている。時代を超えて色あせないその画力と予言的視点は、今なお世界中のクリエイターに刺激を与え続けている。