映画『仁義なき戦い』に描かれたような、荒々しく血気盛んな暴力がまかり通った昭和の時代は完全に過去のものとなった。特に田岡一雄氏が率いた「山口組三代目」の時代と現代を比較すると、組織の質的変容は明白だ。当時は地域社会や港湾、芸能界にまで深く根を張り、爆発的な拡大を遂げた黄金期であった。
それに比して現代の組織は、徹底的なコンプライアンス排除社会の壁にぶつかっている。可視化された暴力は即座に組織の壊滅につながるため、表立った行動は慎まざるを得ない。昭和の任侠映画に描かれた任侠道や血縁的絆というロマンは霧散し、極めて現実的かつ冷酷な生存競争だけが残されている。