地方を車で走ると、広大な敷地に雑草が生い茂る未利用の産業用地を目にすることがあります。全国の自治体を苦しめている産業団地の空き区画問題の原因は、バブル期から続く需要予測の甘さと、「造れば企業が来る」という開発至上主義の遺産です。
自治体は数十億円から百億円超の起債(借金)を行い、山林を切り開き、道路を引き、工業用水を整備して工業団地を造成します。しかし、人口減少と国内製造業の空洞化が進む中で用地の買い手は見つからず、分譲価格を大幅に引き下げても売れ残る事例が常態化しています。
この長期的な土地の塩漬けは、直接的な自治体財政悪化と企業撤退リスクの引き金となります。造成のために発行した地方債の元利償還は毎年容赦なく自治体財政にのしかかり、一般財源から穴埋めを余儀なくされます。学校の統廃合や福祉サービスの削減といった住民サービスへのしわ寄せが発生し、財政健全化団体への転落危機に直面した自治体も現実に存在します。