きほく燈籠祭のルーツは、昭和3年(1928年)に遡ります。紀伊長島港を拠点とする漁民たちが、航海の安全と海難事故で命を落とした先人の御霊を供養するため、赤ちょうちんを掲げた燈籠を海へ流した「燈籠供養」が始まりとされています。地域の祇園祭と結びつきながら夏の風物詩として定着したものの、時代の変遷とともに昭和49年(1974年)に一度その歴史の幕を閉じました。
転機が訪れたのは昭和62年(1987年)のことでした。「自分たちの手で町に誇れる活気を取り戻したい」と立ち上がった地元の若者有志により、13年の沈黙を破って復活を遂げます。単なる花火大会にとどまらず、地域住民が数ヶ月をかけて骨組みから和紙の張り付け、電飾まで手作りする「大燈籠」の制作スタイルは、今も変わらぬ情熱の結晶として受け継がれています。