2016年の春、音楽シーンに激震が走った。デビューシングル『サイレントマジョリティー』で提示されたのは、群れに紛れて生きる大人たちへの強烈なアンチテーゼだった。従来のダンスポップ・アイドルが提示してきた「愛らしさ」や「親しみやすさ」を一切削ぎ落とし、軍服を思わせる衣装と整然とした集団行動、そして一切の笑顔を封印した迫真の表現力は、瞬く間にJ-POPの勢力図を書き換えた。
ただ流行の波に乗っただけではない。個性を殺して生きる現代社会への苦言とも受け取れる歌詞と、研ぎ澄まされたフォーメーションダンスの融合は、アイドルの枠組みを完全に突破していた。若者層を中心に爆発的な共感を呼んだ同作は、チャートを席巻しただけでなく、既存のエンタメ業界に「表現とは何か」という問いを投げかける象徴的な作品となったのだ。