今回、現地での独占取材を通じて見えてきたのは、過去の遺産を守りつつ新しい風を吹き込む緻密な空間設計だ。築90年余りの歴史を誇る旧立誠小学校のアール・デコ調意匠を丹念に保全・復元した校舎棟は、一歩入るだけでノスタルジックな情景を呼び起こす。そして眼下を流れる高瀬川は、かつて京都の物流を支えた運河であり、春には見事な桜並木が水面をピンク色に染め上げる絶景ロケーションとして知られる。
この歴史的な場所を包み込むデザインには、日本を代表する建築家である隈研吾氏らが提唱する木と自然光を活かしたアプローチや、伝統文化と現代都市の融和という思想が深く息づいている。時を重ねたクラシックな佇まいとモダンな内装が見事に融合した空間は、訪れる人々に唯一無二の旅の記憶を刻み込んでくれる。