知られざる捜査二課 仕事内容は、華やかな逮捕劇とは程遠い、途方もない地道な作業の連続です。その実態は、しばしば「公認会計士と情報機関を足して二で割った組織」と形容されます。
花形とされるのが、政界や官僚、地方自治体の首長らを対象とした汚職事件 摘発です。入札情報を漏洩させた見返りに現金や便宜を受け取る贈収賄事件では、受け渡しの現場を押さえることは極めて困難です。そのため、関係者の銀行口座の入出金記録を何千件も遡り、使途不明金の日時と被疑者の行動記録を秒単位で照合します。手帳の走り書き、飲食店の領収書、スマートフォンの位置情報などを丹念に突き合わせ、「言い逃れのできない状況証拠」を積み上げていきます。
民間企業を標的とした企業犯罪 捜査も重要な柱です。上場企業による有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)や、役員による特別背任、インサイダー取引などの摘発には、高度な財務分析能力が求められます。押収した段ボール数百箱分の会計伝票やハードディスクの電子データを1行ずつ精査し、架空取引のループを解明する作業には、数カ月から1年以上の歳月が費やされます。
さらに、国政選挙や統一地方選挙の時期になると、二課は「選挙違反取締本部」へとシフトします。買収工作や供応接待の情報を水面下で収集し、選挙の公正を担保するために目を光らせます。これらに加え、近年は高齢者を狙う組織的な電話詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺といった広域特殊詐欺の摘発にも追われており、彼らの前線はかつてないほど多角化しています。