足を踏み入れた瞬間に広がるのは、陰影礼賛という言葉がふさわしい静寂の世界だ。かつて宇治茶の選別や焙じ作業が行われていた工場建築の骨格をそのまま残し、太い梁や柱の質感を活かした店内。外光が柔らかく差し込む大きな窓からは、手入れの行き届いた日本庭園が美しく切り取られて見える。
革張りのソファやモダンなローテーブルが配され、古民家ともモダンカフェとも異なる独自の風格が漂う。微かに流れる静かなBGMと、茶筅を振る心地よい音。ここには、消費される観光地とは一線を画した、茶と対峙するための贅沢な時間が流れている。