昭和の演芸史において、彼女が果たした役割は極めて大きい。相方である鳳啓助とのコンビは、それまでの演芸の常識を覆す斬新なスタイルを確立した。勝気で口の達者な妻と、どこか頼りなくも愛嬌のある夫という絶妙な構図は、瞬く間に全国のファンを虜にした。
松竹芸能の看板若手として頭角を現した二人は、掛け合いのスピード感とリアルな夫婦善哉の描写で上方漫才の地位を一段高い場所へと押し上げた。「ポテチン」のギャグとともに繰り出されるテンポの良いトークは、劇場だけでなく全国放送のお茶の間でも大爆発。二人でMCを務めた名物番組『唄子・啓助のおもろい夫婦』は、一般人の夫婦の本音を引き出すトーク番組の金字塔となり、長きにわたって高視聴率を記録し続けた。