金沢の三花街と呼ばれるひがし茶屋街、主計町茶屋街、そして西茶屋街。これらは一括りにされがちだが、その性格は驚くほど異なる。ひがし茶屋街が華やかな商業とカフェの街であり、主計町茶屋街が浅野川沿いの閑寂な大人好みの街であるのに対し、西茶屋街はコンパクトな空間に本物の花街文化がもっとも密度高く凝縮されたエリアだ。
石川県が誇るこの文化空間は、派手な観光地化を拒むかのように、落ち着いた品格を保ち続けている。土産物店が立ち並ぶエリアから一歩足を踏み入れるだけで空気感ががらりと変わり、金沢市が大切に守ってきた「普段着の伝統」が息づいていることを確信するはずだ。