この街を象徴する最大の誇りといえば、全国にその名を知られる伝統工芸「三木金物」だ。のこぎりやのみ、かんなをはじめとする大工道具の製造は日本トップクラスの品質を誇る。その源流を探ると、戦国時代の激闘として語り継がれる歴史的出来事に到達する。
過酷な戦の果てに荒廃した街を復興させるため、豊臣秀吉は職人たちの税を免除するなどの手厚い保護政策を実施した。全国から集まった優秀な鍛冶職人が技術を競い合い、現代まで受け継がれる強固な金物産業の基盤が築かれたのだ。職人の手仕事が生み出す鋭い切れ味は、海外の木工愛好家や有名シェフからも高く評価され、現在も地域経済の主軸として力強く街を支えている。