文学座出身の実力派俳優であり、演劇界の重鎮でもある角野卓造が、自身の名前を無断で呼び捨てにされ、容姿をイジられるギャグに対してどのような反応を示すのか。初期のころは関係者の間でも緊張が走ったといいます。しかし、角野が見せた器の大きさは、世間の予想を遥かに上回るものでした。
角野卓造はメディアのインタビュー取材に対し、「怒るどころか、非常に感謝している」と公言しました。その背景には、役者としての柔軟な感性と、予想外のファン層拡大というポジティブな現実がありました。
当時、角野の主な認知層は中高年層が中心でしたが、春菜のギャグが小中高生の間で大流行した結果、街を歩いていると小学生から「あ、春菜のお父さんだ!」と親しみを込めて声をかけられるようになったといいます。角野はこの現象を大いに面白がり、「若い世代に自分の存在を知ってもらえたのは春菜ちゃんのおかげ」と、公の場でネタを完全に「公認」するに至りました。ベテラン俳優の卓越した包容力が、一過性のパロディを国民的エンターテインメントへと昇華させた決定打となったのです。