アメリカの中央情報局(CIA)は、冷戦期を通じて金日成の健康状態を細かく追跡していた。解禁された当時の機密文書によれば、米情報機関は彼の首の病変を早期から把握しており、それが精神的ストレスや執務能力に及ぼす影響を詳細に分析していた。
首元の異常は、単なる病状にとどまらず、後継者レースの加速にも直結した。実子である金正日への権力移譲が急速に進められた背景には、指導者の肉体的な衰退が自明のものとなり、体制の揺らぎを回避したいという焦りがあったとされる。権力の中枢では、病を隠すことと、次世代への継承を完遂することが表裏一体の課題となっていた。