クラシックの本格派としてキャリアを積み上げた今井彩香だが、その眼差しは現代のポピュラー音楽にも向けられている。バッハ、ベートーヴェン、ショパンといった大作曲家の厳密な対位法や和声学を土台にしつつ、現代のポップス曲における叙情的なメロディラインを鮮やかに再解釈する。
ジャンルに縛られない自由なレパートリー展開は、普段クラシック音楽に馴染みの薄い層にも強烈なアピール力を持つ。原曲の魅力を損なうことなく、アコースティックピアノならではの美しい倍音空間を創出するアレンジ能力と表現力は、彼女の大きな武器である。