ネット上の民間療法や知恵袋の回答には、一見手軽に見えて実は住宅設備を破壊したり、被害を悪化させたりする誤情報が氾濫しています。科学的根拠に基づき、代表的な3つの誤解を正します。
最大の誤解が「排水口の虫には100℃の熱湯を流せば一発で解決する」という言説です。住宅の排水管に使用されている硬質塩化ビニル管(塩ビ管)の耐熱温度は概ね60℃前後です。100℃の熱湯を注ぎ続けると、配管が熱変形を起こして継ぎ目が外れ、床下への深刻な漏水事故を引き起こすリスクがあります。水回りの熱処理は、給湯器の設定温度の上限である「55〜60℃」のお湯を使用するのが安全管理上の鉄則です。
次に、「どんな虫にもとりあえず強力な殺虫スプレーを部屋中に噴霧すれば良い」という誤った対処です。飛翔する成虫向けのエアゾールを幼虫に向けて大量噴霧しても、幼虫の体表面を覆うクチクラ層や密生した毛に阻まれ、致死量に達しない場合があります。それどころか、薬剤の刺激によって虫がパニックを起こし、巾木の奥や壁体内へ逃げ込んでしまい、かえって発生源の特定を困難にする逆効果を招きます。
現在の室内害虫の駆除スプレーおすすめとしては、無駄に薬剤を残留させない「瞬間凍結型スプレー(マイナス85℃冷却)」が第一選択となります。化学殺虫成分を含まないため、小さな子どもやペットのいる家庭、キッチン周りでも安全に使用でき、害虫をその場で確実に硬直・絶命させることが可能です。潜伏場所が特定できている場合は、昆虫の脱皮を阻害して成虫化を防ぐ「IGR(昆虫成長制御剤)」配合の薬剤を用いるのが、現代の持続的防除のスタンダードです。