インターネット黎明期の1998年、すべてはひとりのエンジニアの情熱から始まった。開発者である久米宏針氏が世に送り出したこのシステムは、瞬く間に日本全国の指し手を熱狂させた。当時、遠方の強豪とリアルタイムで指し継ぐ手段など皆無に等しかった時代において、ネットを介した真剣勝負の場は革命そのものだった。
公益社団法人日本将棋連盟の公式後援を受け、歴史の節目には羽生善治をはじめとするトッププロたちもイベントやエキシビションで盤上に足跡を残した。名人戦の舞台で繰り広げられるような極限の攻防が、一般家庭のPC画面上で毎夜再現される。黎明期のオンラインゲーム産業がエンタメ路線をひた走る中、徹底して「競技性」にこだわった設計思想こそが、このサイトの背骨を作り上げた。
無駄を一切削ぎ落としたJavaクライアントやWebインターフェースは、今見れば極めて質素だ。だが、その質素さこそが勝負の純度を高める。余計なノイズは不要。駒と時間とレート、それだけが存在する空間だ。