腰板を背中に密着させたら、後ろから伸びる短い紐を使って前側で最終固定を行います。ここで登場するのが、見た目にも美しく、解けにくい伝統の「十文字結び」です。剣道袴十文字結び手順を段階ごとに整理して解説します。
後ろ紐を前に持ってきたら、前帯の上で左右を交差させ、一度しっかりと固結び(ひと結び)を行います。この際、紐を水平方向に強く引き、緩みがない状態を作ることが剣道袴着崩れ防止のコツです。ここからの手順で十文字を形成します。
まず、結び目の上側に出ている紐を上に、下側に出ている紐を真下に向けます。下側の紐を上に向かって折り返し、垂直方向の芯を作ります。次に、左右どちらかの紐を水平に折りたたみ、垂直の紐と直角に交わるように重ね合わせます。最後に、余った紐端を中心の結び目の裏側にくぐらせて引き締めると、中央に端正な十字形が浮かび上がります。
この十文字結びは単なる装飾ではなく、紐の余り端が垂れ下がって足に引っかかる事故を未然に防ぐ安全機構でもあります。平らに仕上げることで、上から胴を着装した際に結び目が腹部にめり込んで痛むのを防ぐ役割も果たしています。