「即位(そくい)」とは、文字通り皇位(天皇の地位)に就くことを意味します。古代中国の古典を出典とする言葉であり、「位に即(つ)く」という構造を持っています。日本の国制において、天皇の地位は憲法および皇室典範によって規定されており、即位という行為は極めて厳格な法的根拠に基づいて行われます。
ここで混同されやすいのが「即位と譲位の違い」です。即位が「新たに天皇の地位に就くこと」であるのに対し、譲位は「在位中の天皇が存命のうちに皇統の継承者へ位を譲ること」を指します。現行の皇室典範第4条には「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」と記されており、原則として天皇の逝去(崩御)を前提とした即位が規定されていました。
しかし、平成から令和への代替わりにおいては、約200年ぶりとなる天皇の譲位が実現しました。この際は皇室典範本体を恒久改正するのではなく、一代限りの特例法(天皇の退位等に関する皇室典範特例法)を国会が可決することで、前天皇が「上皇」へと退位し、皇太子が新たな天皇に即位するという法的手続きが取られました。即位は「引き受ける側」、譲位は「権能を渡す側」の法的な行動を指しています。