現代のパティスリー界を牽引するトップランナーたちも、モンブランという古典的題材に新たないのちを吹き込んでいる。世界的な成果を収めてきた辻口博啓シェフをはじめとする巨匠たちは、単なる栗のペーストにとどまらない立体的な味覚の構築に挑む。
カシスや柑橘系の鮮烈な酸味を潜ませることで栗の甘みを引き立てたり、ハーブやスパイスをほのかに香らせて余韻を長く伸ばしたりと、アプローチは多種多様だ。
古典へのリスペクトを保ちつつも、独自の解釈を加えることで進化を続けるパティスリーの逸品たち。それは、素材に対する圧倒的な偏愛と確固たる美学が交錯する小宇宙と言えるだろう。