実在する軍事基地でありながら、大衆文化における最大のミステリーアイコンとなった要因は何か。90年代に世界的な大ヒットを記録したSF映画『インデペンデンス・デイ』では、捕獲された宇宙船と異星人の遺体が厳重に保管されている総本山としてこの基地が描かれ、人々の空想を現実へと繋ぎ止めた。さらに、大衆の疑惑を決定づけたのが人気TVドラマ『X-ファイル』だ。政府の隠蔽工作とエイリアン・インプラントを巡るストーリーは、人々の心に「政府は真実を隠している」という決定的な不信感を植え付けた。
社会学者の間では、こうしたメディアの熱狂が高度な情報戦の一部だったのではないかという分析も存在する。多種多様な陰謀論が世間に流布すればするほど、真の軍事実験に関する情報がフィクションの渦の中に埋もれていくからだ。結果として、ハリウッドが描いた刺激的なイメージと冷戦下の極秘軍事計画が交錯し、他には類を見ない重層的な伝説が組み上げられていった。